耕作物の土壌管理をしたい
耕作物を健康に育てるためには、土壌の状態をしっかり管理することが欠かせません。
土壌の化学的性質が悪化すると、作物が必要な栄養素を十分に吸収できなくなり、生育不良を引き起こします。
しかし、土壌成分を正確に把握するには、専門的な知識や機器が必要で、手間がかかることが多いです。
そこで、おすすめするのが「パックテスト®」です。パックテストを使うことで、土壌の状態を簡単に把握できます。
土壌診断の負担が軽減され、農作物に最適な対策を迅速に講じることができます。
畑(耕作物)での使用例
土壌分析
農作物を健康に育てるためには、土壌の状態をしっかりとチェックすることが大切です。従来の土壌分析は手間がかかり、時間もかかりますが、パックテストなら、誰でも簡単に土壌分析ができ、農作物が最適な環境で育つための手助けになります。土壌分析の結果は、施肥設計時にも役に立ちます。
土壌中の物質溶出量の測定方法は以下の通りです。

用意するもの
- パックテスト(測定したい項目)
- 純水または0.1mol/L(約7.5%) 塩化カリウム溶液※
- 蓋つきのボトル
- メスシリンダー
- はかり
- ビーカー
ろ過が必要な時
「シリンジフィルター(Φ1μm, Φ0.45μm)とシリンジ」または、「ろ紙(No.5C)と漏⽃」
0.1mol/L 塩化カリウム溶液︓塩化カリウム74.5gを純水1Lに溶かしたもの
測り方
- 土壌20gを蓋つきのボトルに入れます。(小石や植物片などは、なるべく取り除いてください。)
- 純水または0.1mol/L(約7.5%)塩化カリウム溶液100mLを蓋つきのボトルに加えます。
- 蓋を閉め、1分間上下に激しく振り混ぜます。
- 静置して溶液が澄むまで待ちます。上澄みが透明になったら、上澄み液をビーカーに移します。
point
塩化カリウム溶液で抽出すると、一晩静置することで、ほぼ透明な上澄みを得ることができます。
上澄みが透明にならないときは、シリンジフィルターやろ紙でろ過します。
- 上澄み液またはろ液をパックテストで測定します。
※この方法は、「平成15年3月6日 環境省告示第18号 土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件」を参考に簡略化したものです。 土壌試料の性状によって溶出量が変動し、公定法と差異が生じる場合があります。
農業用水の水質検査
農作物の生育には、水質も重要な要素です。水質が不適切だと、作物の生育に悪影響を及ぼす可能性があります。パックテストを使用すれば、農業用水のpHや栄養素のバランスを簡単に確認でき、作物の成長に最適な水環境を維持できます。

測定できる土壌分析項目
パックテストでは、農業用水の水質検査だけでなく、土壌のさまざまな成分も簡単に測定できます。
以下の項目をチェックして、作物の健康をしっかりサポートできます。
また、土壌分析の結果は施肥設計時にも非常に役立ち、作物に最適な栄養バランスを確保するための指針となります。
測定項目 | 測定できる製品 | 備考 |
---|---|---|
pH | パックテスト pH | 土壌のpHを測定し、作物に適したpHレベルを確認 |
有機物 | パックテスト COD | 土壌の肥沃度や微生物の活動を示す有機物の含量を測定 |
窒素:硝酸態窒素 | パックテスト 硝酸 | 窒素分布を測定し、作物の成長に必要な栄養素を評価 |
窒素:アンモニア態窒素 | パックテスト アンモニウム | 窒素分布を測定し、作物の成長に必要な栄養素を評価 |
りん酸 | パックテスト りん酸 | 根の成長や花・実の形成に必要なリン酸を測定 |
カルシウム | パックテスト カルシウム | 土壌のpH調整や作物の根の発育に関わるカルシウムを測定 |
マグネシウム | パックテスト マグネシウム | 光合成に必要なマグネシウムを測定 |
鉄 | パックテスト 鉄 | 植物の光合成活動や成長に欠かせない鉄分を測定 |
亜鉛 | パックテスト 亜鉛 | 微量元素で、過不足が成長に影響を与える亜鉛を測定 |
銅 | パックテスト 銅 | 酵素活性や病気への抵抗力に関与する銅を測定 |
マンガン | パックテスト マンガン | 光合成に必要なマンガンを測定 |
硫黄 | パックテスト 硫化物 | 作物の成長に重要な硫黄の含量を測定 |
亜硝酸態窒素 | パックテスト 亜硝酸 | 窒素状態を把握し、土壌の健康度を評価 |
測定できる農業(水稲)用水基準項目
農業(水稲)用水基準は、法的な基準ではありませんが、農作物被害と汚濁物質の関係等から設定されました。
農業用水の指標として利用されています。パックテストでは、農業用水に含まれるさまざまな成分を簡単に測定できます。
測定項目 | 測定できる製品 |
---|---|
pH | パックテスト pH |
COD | パックテスト COD(低濃度) |
DO | 溶存酸素キット30 |
T-N | 全窒素・全りん測定セット(高圧) |
重金属:As(砒素) | パックテスト ひ素(低濃度)セット |
重金属:Zn(亜鉛) | パックテスト 亜鉛(低濃度) |
重金属:Cu(銅) | ― |
「パックテスト」を活用することで、農業生産現場での土壌管理が効率化され、作物の健康をしっかり守りながら、より高い収穫を目指すことができます。
さらに、土壌診断が簡単に行えることで、農業生産者が多くの分析結果を活用し、より精度の高い農業の実現が可能です。
ぜひ、実際にパックテストを使って、土壌分析を試してみませんか?
本記事の執筆にあたり、下記の出典元を参考にしています。
出典:土壌診断なるほどガイド(全国農業協同組合連合会 肥料農薬部)
Ⅵ 水質・土壌等に係る基準(農林水産省)
パックテストとは
パックテスト®とは、誰でも、どこでも簡単に水質を測定できる水質分析器具です。
現在、パックテスト®のラインアップは70種類以上あります。
1976年の発売開始以来、製品の開発・改良を加え、今日では、工場や事業所での排水管理や品質管理、ご家庭においては気になる水の検査、屋外での環境調査などの幅広い場面で多くの方にお使いいただき、お客様の「知りたい」に寄り添いながら、製品を提供し続けています。
製品のサンプルは、公式Webサイトからご依頼いただけます。購入前にぜひ使用感を確認してみてください。