よくあるご質問(FAQ)
製品全般について
製品の購入について
測定結果について
弊社の製品は簡易分析製品です。公定分析と比べて、前処理や操作の一部を省略してるため測定環境や共存物質の影響を受けやすい面を持っています。また、製品には多少の個体差があります。そのため、測定の正確さや精度の保証はいたしておりません。
正確さについては、公定分析との比較を行うなど必要に応じて検証を行ってください。繰り返し測定の精度については、以下を目安としてください。
【パックテストによる目視測定の精度】
・標準色の目盛りで半目盛り程度
(同一検水、同一作業者、同一環境での操作で、測定範囲中央値において20~30%程度のばらつき)
【デジタルパックテストによる判定による精度】
・同一検水、同一作業者、同一環境での操作で、 測定範囲中央値において20%程度のばらつき
現場での精度管理については、ユーザー様での検証が最も重要です。製品サンプルや機器の試用品の用意も
ございますので、ぜひご活用ください。
有効期限、保管、廃棄
乾燥した暗所で保管してください。温度は常温付近が望ましいです。冷蔵庫での保管は、推奨しておりません。冷蔵庫から取り出した後、結露が発生し、試薬が劣化する可能性があります。また、試薬は高温に弱いため、夏場の車中などに長時間放置するのは避けてください。
ラミネート包装から取り出した試薬は、なるべくは早く使い切るようにしてください。未使用であってもチューブの中の試薬が吸湿し、試薬が劣化する可能性があります。特に乾燥剤と保存袋が入っているパックテストは、湿気に弱いのでご注意ください。乾燥剤と一緒に保存袋の中に入れて保管し、数日以内に必ず使い切るようにしてください。
【事業目的で購入のお客様】
使用後の廃液やポリエチレンチューブ、未使用の製品は、産業廃棄物として法令に従い処分してください。産業廃棄物処理業者に処理を委託する際は、製品のSDSを参照の上、ご相談をお願いします。SDSは、各製品のウェブページでダウンロードできます。
【個人(一般)のお客様】
ポリエチレンチューブを溶液ごと「燃やすごみ」として処分していただくことを推奨しています。液漏れを防ぐため新聞紙などでしっかり包んで処分してください。
SDS(安全データシート)
SDSは、各製品のウェブページでダウンロード可能です。
ウェブページで公開しているSDSは、最新版のSDSとなっています。
「その他」に含まれる成分の詳細については、営業秘密保護のため開示しておりません。
弊社製品のSDSは、日本国内の法令に対応したSDSのみとなります。世界各国の法令に対応したSDSの用意はございません。
各種書面の発行、化学物質の調査
COAの発行は行っておりません。
「製品に関するお問い合わせ」よりご依頼ください。調査内容によっては、調査対象となる化学物質が記載されたリストのご提出をお願いすることがあります。調査には、2週間程度のお時間を頂戴します。証明書については、お客様でフォーマットをご用意ください。調査終了後、社名など記入の上、提出いたします。なお、chemSHERPA形式の回答、データの提供は対応しておりません。また、ICPデータなどの成分分析結果の提供も対応いたしておりませんので、ご了承ください。
水質計の点検、修理、校正
海外での使用、海外への輸送
海外で弊社製品をご使用される場合、下記の点にご注意ください。
- パックテストなどの試薬類は、少量ながら化学物質を含むため、各国の法令により規制がかかる場合がありますのでご注意ください。
- 海外へ輸送される場合、「該非判定書」および「SDS」をもとに輸送を依頼される輸送会社にご相談をお願いします。個人で持ち込まれる場合も同様に各国の関係法令をご確認ください。なお、含有成分の一部を非開示としている製品がございます。これらについては、開示いたしかねますので、ご了承ください。現地に販売店がある場合は、そちらからの購入もご検討ください。
- 現地で廃棄される場合、各国の関係法令を遵守してください。
- デジタルパックテストなどの水質計については、海外でご使用の場合は、保証の対象外とさせていただいておりますので、ご了承ください。
- Bluetooth機能は、日本国内でのみご使用いただけます。海外で使用すると各国の電波法違反となる可能性がありますので、使用しないでください。なお出荷時は、Bluetooth機能はオフの状態となっております。
全成分の開示はいたしておりません。輸出予定の地域に弊社販売店がある場合は、そちらからのご購入をご検討ください。
パックテスト、デジタルパックテストについて
パックテスト全般
- 着色が強く、比色時に影響するもの
- 懸濁物質を多く含むもの
- 酸性、アルカリ性が強いもの
- 有機溶剤を多く含むもの
- 測定を妨害する物質の濃度が高いもの
検水の温度は、主に15~30度にして測定してください。温度で測定条件が変わり測定値に影響します。パックテストの標準色は15~25℃での発色を前提に作成しています。
水温の影響は、項目によって大きく異なるため必ず使用法を確認してください。製品の中には、温度によって発色時間を変更したり、測定値を補正する項目もあります。
カラーコピーやスキャナーでは、標準色の色調を完全に再現することはできませんので、コピーした標準色のご使用はお控えください。標準色は、5枚単位、50枚単位でそれぞれ販売しておりますので、別途ご購入ください。
検水のpHや共存物質の影響によって、異常発色(標準色にはない色に発色すること)を起こしている可能性があります。異常発色ついては、弊社で把握している情報もありますので、「製品に関するお問い合わせ」よりご連絡ください。お問い合わせの際には、検水の種類(例.排水など)やpH、共存物質の情報などをご提供いただけると回答の際の参考になります。
デジタルパックテスト全般
デジタルパックテストだけでは測定できません。対応する試薬を別途ご用意ください。
デジタルパックテストでは、発色の強さがより安定してから測定を行なうようになっています。また、溶け残った試薬の影響を避けるため、一部の項目では、測定時間が目視測定とデジタルパックテストで異なっています。それぞれ、指定の時間で測定を行なってください。
COD
パックテストでは反応しにくい成分が含まれていることが要因です。パックテストと公定分析(JIS K 0102 17. 100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)では、反応条件が大きく異なります。そのため、同一検体の測定結果が一致しないことがあります。成分によって傾向は異なりますが、パックテストの測定値の方が低くなるケースが多いです。排水管理などでご利用の際は、必ず公定分析との相関性を確認してください。
参考コラム:パックテストCODの測定値と公定法の測定値に差が生じる訳パックテストCODの測定値と公定法の測定値に差が生じる訳
CODを測定するパックテストでは、測定時間が経過してもチューブ内の化学反応は止まりません。そのため、時間の経過とともに徐々に測定値は高くなっていきます。CODの判定は、使用法や標準色に書かれている指定の時間で行なってください。
CODの値が高い海水やアスコルビン酸などの還元剤を含む検水を測定すると、溶液が無色透明になることがあります。純水などで希釈をしてから測定しなおしてください。
パックテスト COD各種は、デジタルパックテストには対応しておりません。
BOD
パックテストでは、N-BODは測定できません。
アンモニウム
アンモニウムの標準色では、アンモニウムイオン(NH4+)の濃度を表記しています。一方、アンモニウム態窒素の標準色では、アンモニウムイオンに含まれる窒素の濃度を表記しています。目的に合わせて使い分けてください。アンモニウム態窒素は、アンモニウム体窒素、アンモニア性窒素と表記されることもあります。
ともに同じ反応原理(インドフェノール青法)を用いていますが、共存物質の影響やデジタルパックテストへの対応が異なります。アンモニウムの測定では、鉄や亜硝酸などが含まれている検水を測定すると発色に黄色が混ざることがあります。この黄色の度合いが強くなるとパックテスト アンモニウムでは、比色が難しくなります。このような検水を測定する際は、パックテスト アンモニウム(排水)を用います。デジタルパックテストには、パックテスト アンモニウムのみが対応しています。パックテスト アンモニウム(排水)は対応しておりませんのでご注意ください。
鉄や亜硝酸などが含まれている検水を測定すると発色に黄色が混ざることがあります。このような場合は、標準色の下段の色を使って比色します。黄色味が強く、下段の標準色でも比色が難しい場合は、希釈をしてから測定しなおすか、パックテスト アンモニウム(排水)をご使用ください。
パックテストでは、解離型、非解離型の両方のアンモニア(総アンモニア)が測定されます。非解離型アンモニアのみを測定することはできません。
海水、汽水については、デジタルパックテストを用いた測定はできません。海水や汽水を測定するとマグネシウムなどのミネラル分が沈殿します。不溶性の沈殿は、デジタルパックテストの測定を阻害するため、測定値が目視測定の値よりも高くなります。
硝酸、亜硝酸
硝酸、亜硝酸の標準色では、それぞれ硝酸イオン(NO3-)、亜硝酸イオン(NO2-)の濃度を表記しています。一方、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素の標準色では、各イオンに含まれる窒素の濃度を表記しています。目的に合わせて使い分けてください。硝酸態窒素、亜硝酸態窒素は、○○体窒素、○○性窒素と表記されることもあります。
全窒素(無機)
パックテスト 全窒素(無機)では、アミノ酸などの有機態の窒素化合物は測定できません。
6価クロム、全クロム
検水のpHが高いときに起こります。廃棄物(燃えがら など)の溶出液など検水のpHがアルカリ性になる際はご注意ください。検水のpHが9を超える場合は、水酸化ナトリウム水溶液で中和を行ってから測定を行ってください。
パックテスト 6価クロムと全クロム測定用前処理剤を用いれば可能です。パックテスト 全クロムは、デジタルパックテストには対応しておりませんのでご注意ください。
検水を全クロム測定用前処理剤を用いて前処理した後、デジタルパックテスト 6価クロムまたはデジタルパックテスト・マルチSPで測定します。
6価クロムを溶出させた溶出液を測定してください。6価クロムの抽出方法は、IEC62321、JIS H 8625(熱水抽出)、EPA3060A(アルカリ抽出)などをご参照ください。
ニッケル
それぞれ類似のキレート剤を用いた製品ですが、共存物質の影響とデジタルパックテストへの対応が異なります。共存物質の影響については、それぞれの製品の使用法に記載しておりますのでご参照ください。デジタルパックテストには、パックテスト ニッケル(DPM)のみが対応しています。パックテスト ニッケルは対応しておりませんのでご注意ください。
オゾン
オゾンの発生方法によって、パックテストでは、発色しない現象が起こることがわかっております。また、DPD法など他の測定原理をもとにしたオゾン測定器の測定値を一致しないことがあります。ご購入いただく前に製品サンプルでお試しいただくことをお勧めいたします。
鉄
鉄の存在形態によっては、反応時間後に徐々に発色が強くなることがあります。指定の測定時間で反応するのは、鉄イオン(Fe2+, Fe3+)となっている鉄分ですが、鉄が錯体や不溶性の塩として存在する場合、時間の経過とともに少しずつ反応することがあります。これらの鉄分も含めて測定を行なう際は、使用法に記載の「赤水を含めた総鉄の測定方法」を参照してください。
銅
異なるキレート試薬を用いた製品で共存物質の影響が大きく異なります。銅以外の金属イオンが共存する検水を測定する際は、パックテスト 銅が有利です。パックテスト 銅(排水)は、錯体となった銅を測定できるという特徴があるため、EDTAなどのキレート剤が含まれる検水を測定する際にご使用ください。
参考コラム:パックテスト銅と銅(排水)の違い
その他の製品について
次亜塩素酸試験紙
それぞれの試験紙で測定される塩素は、以下の通りです。
次亜塩素酸試験紙(低濃度):遊離残留塩素
次亜塩素酸試験紙(高濃度):総残留塩素
油分検出計セット、油分検出試薬セット
懸濁物を含む検水では、測定値が大幅に高くなります。管理にご使用いただく前にJIS法などとの相関性を確認してください。試用機の用意がございますので、ご購入の前にお試しいただくことをお勧めいたします。
スマートパックテスト
Android端末などiPhone以外の端末には対応いたしておりません。iPadでは、アプリのインストールは可能ですが、一部の機能が正しく動作いたしません。
○○を測定したい
恐れ入りますが、有機ふっ素化合物を測定可能な製品はございません。
パックテスト Mアルカリ度で測定可能です。測定値はアメリカ硬度となりますので、ドイツ硬度に換算する場合は、測定値に0.056を掛けてください。
塩素イオン(Cl-:塩化物イオン)は、以下のパックテストで測定可能です。
熱水抽出した溶出液を冷却し、パックテスト りん酸(低濃度)またはデジタルパックテスト りん酸(低濃度)で測定してください。詳細は以下のコラムをご参照ください。
参考コラム:パックテストりん酸(低濃度)を用いたプラスチック中難燃剤である赤りんの不具合判定方法
自由研究や市民活動では、無機窒素、無機リン、有機汚濁(COD)が測定できる「川の水調査セット」がおすすめです。各水質項目についての解説パンフレットも付属しています。