酒造りの品質・工程管理をしたい
もろみの発酵管理を見える化し、
日本酒の更なる品質向上に
日本酒は、国内のみならず海外でも高い評価を受け、Japanese Sakeとして愛されています。日本全国に個性を光らせる酒蔵があり、津々浦々の酒を味わう旅も楽しいものです。地域に根差した酒蔵の存在は、地方を活性化する大きな力も秘めています。
毎年趣向を凝らし造られる日本酒には、杜氏による経験と酒造りのノウハウが詰まっています。原料となる水の品質が良いのはもちろんのこと、発酵や発酵後のしぼりの工程管理は、日本酒の味や品質を大きく左右します。
培われた経験と勘に加え、発酵の経時変化を日々数値化することで、よりきめ細やかな品質管理を行うことができます。
共立理化学研究所の「パックテスト®」は、酒造りの複雑な工程管理の現場で迅速な測定に役立ちます。面倒な事前の試薬調整や、専門的な知識は不要です。だれでも簡単に現場で測定でき、数分で結果がわかります。コストは、1回の検査で約100円。使い切りなので、メンテナンスも不要です。毒劇物に該当しませんので、試薬の保管も簡単です。

もろみの状態を客観的に把握する
グルコース
酒造りの特徴である「並行複発酵」を管理する上で、もろみのグルコース濃度に注目することは欠かせません。もろみのグルコースは初期に上昇し、アルコールに変わっていくにつれて減少し、終盤は落ち着いてきます。
パックテストを使うと、日々のグルコース濃度の推移を簡単に管理することができます。小指ほどのサイズのチューブに調整済みの試薬が入っており、吸い込むだけで簡単にグルコースの濃度を知ることができます。パックテストは、国税庁所定分析法で定められる公定法ではないためあくまで概略値となりますが、秋田県総合食品研究センター醸造試験場によって、他社の測定器とパックテストの性能比較がされ、ほぼ同等の結果が得られたと報告されました。これを機に、パックテストを利用し品質管理をされる酒蔵が増え始めています。

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日本酒のうま味を”見える化”する
グルタミン酸
日本酒において、うま味は味を左右する大きな要素になります。そもそもうま味とは、5つの基本味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)の1つです。うま味はグルタミン酸などの「アミノ酸」によって生じる味で、例えば昆布のだしはうま味として有名です。酒造りにおいて、うま味成分は、麹がもつ酵素が米のタンパク質を分解する過程で作られます。これらはうま味の成分であると同時に、雑味の原因となることも。うま味の量は、このように酒の味を大きく左右します。
うま味を数値化することは、日本酒の品質管理にも役立ちますが、指標としてうま味を視覚的に伝える際にも有効になるでしょう。パックテストでは、うま味(アミノ酸)の一種である「グルタミン酸」を簡単に調べることができます。日本酒の品評や、味の参考値として活用してみませんか?

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酒母中の酵母状態の把握に
亜硝酸
酒造りにおいて「酒母(しゅぼ)」という日本酒の土台づくりは、字の如く「酒の母」となる重要な工程です。酒母の中で良い酵母が育つことで、良い日本酒が作られます。硝酸還元菌が増えることで、酒母中の硝酸が還元され、亜硝酸濃度が上昇し酒母を雑菌から守ります。酒母の中で不要な酵母が駆逐され、乳酸菌が増え始めると、亜硝酸はやがて分解され、酒造りに重要な酵母を育てる環境が整います。これらの工程の中で、亜硝酸の迅速な濃度管理がお酒の味を左右します。パックテストを使用することで、日々の亜硝酸濃度を欠かさず調べることができ、工程管理のタイミングを把握することができます。

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酒母中の酵母状態おいしい日本酒を、
世界中のファンのもとへ
冬になると酒蔵は繁忙期を迎え、日本中のみならず、世界のSAKEファンが日本酒の完成を心待ちにしています。一方、複雑な工程管理での判断は難しく、その年の日本酒の出来を大きく左右します。
私たちは、パックテストのような簡易水質検査を活用いただくことで、おいしい日本酒造りの一助になれることを願っています。

本記事の執筆にあたり、下記の出典元を参考にしています。
SAKETIMES
https://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_g_word_umami
https://jp.sake-times.com/think/study/sake_g_shubo
共立理化学研究所コラム
パックテストとは
パックテスト®とは、誰でも、どこでも簡単に水質を測定できる水質分析器具です。
現在、パックテスト®のラインアップは70種類以上あります。
1976年の発売開始以来、製品の開発・改良を加え、今日では、工場や事業所での排水管理や品質管理、ご家庭においては気になる水の検査、屋外での環境調査などの幅広い場面で多くの方にお使いいただき、お客様の「知りたい」に寄り添いながら、製品を提供し続けています。