河川や湖沼の水質を調べたい
行政や市民団体活動の環境調査、
地域の身近な水の水質把握に
私たちにとって身近な水といえば、河川や湖沼が思い浮かぶでしょう。日本の水道水源は、7割が河川や湖沼、ダム湖沼などの「地表水」が占めています。
これらの川や湖沼の水は、雨により蓄えられますが、その年の気候や自然状況により水質が左右されることがあります。また、都市開発により河川の形状が人工的に改変されることもよくあります。もし水質が悪化すれば、私たちの生活にも悪影響を及ぼしかねません。
水質の変化は、河川や湖沼に住む生き物たちの生態にも大きな影響を与えます。近所の川辺で、ホタルが飛び交う姿は貴重になってきているかもしれません。
身近な水を守るために、継続的な水辺の環境調査は非常に有効です。河川や湖沼の水を調べることは、いわば「水辺の健康診断」。環境調査の取り組みによって、地域住民が身近な水について考えるきっかけになります。
共立理化学研究所の「パックテスト®」は、フィールドワークでのすばやい水質調査に最適です。面倒な事前の試薬調製や、専門的な知識は不要です。だれでも簡単に現場で測定でき、数分で結果がわかります。コストは、1回の検査で約100円。使い切りなので、メンテナンスも不要です。毒劇物に該当しませんので、一般の方にも安全にご使用いただけます。

河川や湖沼の汚れを調べる
環境調査ではこんな物質が調べられています。
化学的酸素要求量(COD)
測定値の目安:0~5mg/L(上流 1~2 mg/L、下流 2~10 mg/L)
CODは汚れを表す代表的な指標です。生活排水や、工場排水が適切に処理されないと、河川に流れ込んでしまう場合があります。食べ残しや油汚れ、洗剤など、私たちの家庭からでる排水は、河川に大きな負担を与えます。下水処理の負担を避けるためにも、河川のCOD値を把握し、汚れの状況を知ることが大切です。
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アンモニア
測定値の目安:0.2 mg/L未満はきれい、0.5 mg/L以上は少し多い
畜産の排水や、家庭排水に含まれるため、これらが河川に流れ込むと汚染の原因になります。
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亜硝酸
測定値の目安:0.02 mg/L以下
アンモニアが硝酸に変化する過程で生成され、すぐ近くに汚染源があることを意味します。すぐそばで家庭排水や畜産排水、し尿などが流入している可能性があります。
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硝酸
測定値の目安:1~2 mg/L前後
亜硝酸から変化した硝酸が多く検出されると、河川の上流で汚れが流れ込んでいることが考えられます。ただし、その流域の土壌によっては、もともと硝酸が多く含まれている川もあります。また、硝酸は富栄養化を引き起こす原因にもなります。
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りん酸
測定値の目安:0.05 mg/L未満はきれい、0.05~0.2 mg/Lは少し多い
りん酸は食品添加物や肥料などに含まれます。家庭排水などが、湖沼や内海などの閉鎖された水辺に流れ込むと、富栄養化を引き起こす原因となり、魚の大量死や悪臭の原因となります。
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水質事故時の迅速な調査に
河川や湖沼では、いつ水質事故が発生するか予測がつきません。
異臭がする、魚が大量死するなど異常が発生した場合、近隣の工場や施設からの原因物質流入などのおそれがあります。事故発生時は、人的被害を食い止めるためにも迅速な水質検査が求められます。しかし分析機関への依頼は、結果が分かるまで数日の時間を要する場合があるため、簡易水質検査で「あたり」をつけることができるだけでも非常に素早い対応が可能になります。パックテストは迅速性・携行性に優れるので、水質事故の被害拡大を最小限にするために、様々な水質事故現場で活用されています。

事故の原因物質の例と、調べられる製品はこちら
原因物質 | 事故例 | 調べられる製品 |
---|---|---|
シアン | 鍍金工場、熱処理工場、汚泥等焼却事業所等 | パックテスト 遊離シアン |
フェノール類 | 消毒薬使用事業所(畜舎、病院)等 | パックテスト フェノール |
六価クロム | 有害・有毒物質の混入、 工場排水の流入等 | パックテスト 6価クロム |
ひ素 | 有害・有毒物質の混入、 工場排水の流入等 | パックテスト ひ素(低濃度)セット |
銅 | 有害・有毒物質の混入、 工場排水の流入等 | パックテスト 銅 |
残留塩素 | 消毒剤使用事業所、酸化剤使用事業所、漂白剤使用事業所等 | パックテスト 残留塩素(遊離) |
アンモニア態窒素 | 冷凍施設、肥料、化学薬品製造工場、生下水、し尿の流入等 | パックテスト アンモニウム |
pH | 酸・アルカリの表面処理業、工場排水の流入、藻類の大量発生等 | pH試験紙PLS 200入 |
身近な水を、もっと身近に
地域の水辺は、私たちにとって日々の安らぎを与えてくれるだけでなく、世代を超えて地域の方々との交流も育みます。大切な地元の河川・湖沼を守るために、パックテストをお役立てください。

本記事の執筆にあたり、下記の出典元を参考にしています。
- 東京都水道局 水質に関するトピック
- 新版 だれでもできるパックテストで環境しらべ(岡内完治 著 2000年3月25日発刊)
- 共立理化学研究所 コラム:河川等の水質事故における簡易分析の活用事例
パックテストとは
パックテスト®とは、誰でも、どこでも簡単に水質を測定できる水質分析器具です。
現在、パックテスト®のラインアップは70種類以上あります。
1976年の発売開始以来、製品の開発・改良を加え、今日では、工場や事業所での排水管理や品質管理、ご家庭においては気になる水の検査、屋外での環境調査などの幅広い場面で多くの方にお使いいただき、お客様の「知りたい」に寄り添いながら、製品を提供し続けています。