パックテストでグルタミン酸を測ってみた【第2弾】市販の離乳食のうま味をパックテストで測ってみた!

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こんにちは!初登場のしいなです。
4歳と3歳の子を育てるワーママをやっております。
我が家の子供たちがもう少し小さかった頃、私が疑問に思っていたことがあります。

「なぜこの子は、私が作った離乳食はあまり食べてくれないのに、市販のものはよく食べるのだろう?」

悩みながら離乳食を作っていたあの日から早数年・・・
弊社製品にパックテストグルタミン酸が仲間入りし、グルタミン酸について調べていると以下のようなことがわかりました。

・赤ちゃんは生まれながらにしてうま味を感じ取る能力がある。
・実際にヒトの母乳にも、うま味成分の元となるグルタミン酸が含まれている。

そこで私は考えました。

「市販の離乳食にはうま味成分がたくさん入っているのでは?!」

そこで今回、市販の離乳食に含まれるグルタミン酸の量をパックテストで調べてみることにしました。

パックテスト グルタミン酸

離乳食を5種類測ってみた!

今回測定したのは以下の5種類の離乳食です。

・離乳食A(X社、おかゆ、5か月~)
・離乳食B(X社、野菜等ペースト、5か月~)
・離乳食C(Y社、野菜入りチキンライス、7か月~)
・離乳食D(Y社、かぼちゃ入りグラタン、7か月~)
・離乳食E(Y社、魚の炊き込みごはん、7か月~)

前処理として、20mlの純水に検体(離乳食)1gを加え、つぶしながらよくかき混ぜて検水を作成し、必要に応じて希釈しながら測定しました。

ちなみにパックテストは水質の簡易測定機器ですが、前処理によっては固形物も測定できちゃいます。
それぞれの製品の写真に実際に使用した検水も載っていますので、参考にしてみてくださいね。

結果

結果は以下のようになりました。









離乳食A、離乳食B…
1mg/L未満!!

離乳食AとBのチューブの色

離乳食C、離乳食D、離乳食Eからはしっかり検出されました。
離乳食Cは目視やにおいからも明らかにトマトを使用しているので、高くなったと考えられます。


また、意外だったのが離乳食E(かつお昆布出汁を使用)よりも離乳食CやDのほうが高かったこと。
結果についてもう少し深掘りしてみましょう。

測定結果から考えたこと

生まれたばかりの赤ちゃんは、どのような食物アレルギーを持っているか(持っていないか)がわからないため、
離乳食はひとつひとつの素材を少量から与えるところからはじまります。

今回測定した離乳食の対象月齢がAとBは5か月~、C・D・Eは7か月~の製品ということで、グルタミン酸が検出されなかった離乳食AやBについては、使用している素材数が少ないことが原因の一因として考えられます。
また、味付けが月齢に対して配慮されている可能性もありますね。

また、グルタミン酸が検出されたC~Eの離乳食について
成分表示を見ながら今回の測定結果を考えると、数値が特に高かったCとDに共通しているものは・・・





玉ねぎ!

前回のコラムで、トマトにはグルタミン酸が多く含まれていることがわかりましたが、もしかしたら玉ねぎにも多く含まれているのかもしれません。

また、Eが以外にも低かった原因として、成分表示に記載されているまぐろ水煮やちりめんエキスにはイノシン酸が多く、しいたけ水煮に関してもグアニル酸という、グルタミン酸とは別のうま味成分が多い食品です。

使用されている野菜もグルタミン酸含有量が少ないものだったことが考えられます。
離乳食においては調味料や味付けで強いうま味を出すのではなく、食品由来のうまみ成分が多く含まれているということですね。

番外編:育児用ミルクの測定結果

番外編として、育児用ミルク(Z社、調乳せずそのまま飲めるタイプのもの)も測定しました。

結果は・・・





1mg/L未満!!
なぜ?!

ヒトの母乳にグルタミン酸が入っていると聞いて、私はてっきりミルクにも入っているものだと思っていました。

ただし、成分表示欄には「イノシン酸」「グアニル酸」の記載がありました。
つまり、測定した製品はグルタミン酸を使わず、イノシン酸やグアニル酸で「うまみ」を出しているのかもしれません。

今回、ミルクは1種類しか測定していないので、もしかしたらこれはミルクによっても異なる結果になるかもしれません。とても面白いですね。

まとめ

今回、パックテストを使って市販の離乳食や育児用ミルクのグルタミン酸を測定した結果、対象月齢が7か月~の離乳食にはグルタミン酸が含まれていることがわかりました。
検出された数値から考えると、食材由来のうま味成分が最大限生かされているようです。

また、「市販の離乳食はうま味成分がたくさん入っているのでは?!」と考えて始めた実験でしたが、実験中にはうま味成分以外にも、とろみや香り、素材の甘さなど赤ちゃんが食べたくなりそうな要素をたくさん感じることができました。

きっとこれは何年も離乳食を研究されている企業様の努力の賜物なのでしょう。
いつもとは違う視点でパックテストを使用することができ、私にとっても大変参考になる結果となりました。

育児は毎日がチャレンジですが、化学の視線を少しプラスして、赤ちゃんやパパ・ママの「おいしい!」を一緒に考えていけたらいいなと思います。


次回予告:
次回は、日本人にとっておなじみのおやつ「おせんべい」のうま味を探ります!
グルタミン酸は、どのくらい含まれているのでしょうか・・・?
身近な食べものに隠れた“うま味”の秘密、次回もお楽しみに!


注意:
・本コラムの測定は、あくまで食品成分の簡易的な分析を目的としており、発色後のチューブ内に残っている液体の直接飲用はお控えください。


製品情報:
パックテスト グルタミン酸